「これからはEV(電気自動車)だから燃料は要らなくなる?」——実はそう単純ではありません。飛行機や船、大型トラック、建機・農機、非常用電源など、電気に置き換えにくい分野が数多く残ります。そこで鍵になるのが、既存の設備をそのまま使える次世代の液体燃料です。
- ① 次世代燃料=脱炭素に向けた化石燃料の代替・補完。SAF・HVO・BDF・e-fuel・水素など。
- ② 強みは「ドロップイン」=既存のエンジン・給油インフラをそのまま使えること。
- ③ 課題はコスト・原料調達・量産。移行期は従来燃料と併存しながら進む見込み。
WHYなぜ「燃料」がこれからも要るのか
脱炭素の主役はたしかに電化ですが、電化が難しい分野があります。
- 航空・船舶:長距離・大出力で、バッテリーでは重すぎる。
- 大型トラック・建機・農機:長時間の高負荷運転、充電時間の制約。
- 非常用発電・災害対応:停電時に確実に動く液体燃料の備え。
こうした分野では、既存のエンジンとインフラをそのまま使える液体燃料が現実的な脱炭素の道になります。それが次世代燃料の出番です。
TYPES主な次世代燃料
| 燃料 | 原料・作り方 | 主な用途 | 既存インフラ |
|---|---|---|---|
| SAF 持続可能航空燃料 | 廃食用油・バイオマス等 | 航空機(ジェット燃料代替) | ◎ 混合してそのまま |
| リニューアブルディーゼル (HVO・水素化処理油) | 植物油・廃食油を水素化 | トラック・建機・軽油代替 | ◎ ドロップイン |
| バイオディーゼル (BDF・FAME) | 廃食油等をエステル化 | ディーゼル(混合利用) | ◯ 混合率・低温に制約 |
| 合成燃料 e-fuel (イーフューエル) | 再エネ由来の水素+回収CO2 | 自動車・航空・船舶 | ◎ 既存エンジンで使える |
| 水素・アンモニア | 再エネ電力で水素製造 等 | 燃料電池・発電・船舶 | △ 専用設備が必要 |
| バイオエタノール | サトウキビ・穀物等 | ガソリン混合 | ◯ 混合利用 |
※ 各燃料の呼称・区分・普及状況は今後変わる可能性があります。上表は代表的な整理です。
SAFSAF(持続可能航空燃料)
SAF=Sustainable Aviation Fuel。廃食用油やバイオマスなどを原料とする航空燃料で、従来のジェット燃料に混ぜて既存の航空機・空港設備でそのまま使えるのが特徴。燃料のライフサイクル全体でのCO2を減らせるため、電動化が難しい航空分野の脱炭素の切り札とされています。
HVO vs BDFリニューアブルディーゼル と バイオディーゼル
どちらも植物油・廃食油が原料ですが、作り方と品質が違います。
- リニューアブルディーゼル(HVO):水素で処理して炭化水素にしたもの。軽油に近い性状で品質が安定し、既存ディーゼルにそのまま使えるドロップイン燃料。低温性能も良好。
- バイオディーゼル(BDF・FAME):エステル化した燃料。廃食油の有効活用として普及していますが、混合率や低温性能・保管に制約があります。根木石油のBDFの取り組みもご覧ください。
E-FUEL合成燃料 e-fuel(イーフューエル)
再生可能エネルギー由来の水素(グリーン水素)と、工場や大気から回収したCO2を合成して作る液体燃料です。使うときにCO2を出しても、原料段階で回収したCO2と相殺できるため、カーボンニュートラルとされます。既存のエンジン・給油インフラで使える魅力がある一方、製造コストが高く、大量の再エネ電力が必要で、量産・普及が今後の課題です。
H2水素・アンモニア
燃焼・利用時にCO2を出さないゼロカーボン燃料として、燃料電池・発電・船舶などで期待されています。ただし、製造・貯蔵・輸送に専用の設備が必要で、インフラ整備やコストが普及の鍵です。
DROP-IN“ドロップイン”がなぜ重要か
SAFやHVO、e-fuelの共通の強みは「ドロップイン」——つまり今のエンジン・タンク・ローリー・給油機をそのまま使えることです。設備をまるごと入れ替えずに脱炭素を進められるため、移行がスムーズ。燃料を確実に届ける卸・配送の役割は、次世代燃料の時代も続いていきます。
OUR ROLE根木石油の役割
FAQよくあるご質問
脱炭素に向けた化石燃料の代替・補完燃料の総称です。SAF・HVO・BDF・e-fuel・水素などがあります。
廃食油・バイオマス等を原料とする持続可能航空燃料。既存の航空機・設備でそのまま使え、ライフサイクルのCO2を削減します。
HVO(リニューアブルディーゼル)は水素化して軽油に近い性状にしたドロップイン燃料。BDF(FAME)はエステル化燃料で混合率・低温に制約があります。
再エネ由来の水素と回収CO2から作る合成燃料。カーボンニュートラルとされますが、コストと再エネ電力の確保が課題です。
航空・船舶・大型トラック・建機・非常用電源など電化が難しい分野が多く、既存インフラで使える液体の次世代燃料が現実的だからです。
いまの燃料も、次の燃料も。
軽油・A重油・灯油・ガソリンの安定供給、BDF等の取り組みまで。地域のエネルギーは根木石油にご相談ください。
関連ページ
※ 本ページはエネルギー・脱炭素に関する公開情報にもとづく一般的な解説です。次世代燃料の規格・普及状況・呼称は今後変わる可能性があります。