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REPORT — 業界レポート

エネルギー業界のM&A最新動向と事例
― SS再編・事業承継の「今」

公開情報をもとに作成/2026年6月更新

ガソリンスタンド(SS)の減少、元売りの再編、深刻化する後継者不足——エネルギー業界はいま、大きな構造変化のただ中にあります。本記事では、官公庁・業界団体・各社の公開情報をもとに、エネルギー業界のM&A・事業承継の動向と代表的な事例を整理します。

01データで見る:SSは30年で「半分以下」に

全国のSS(給油所)数は、1994年度末の60,421か所をピークに減少が続き、2024年度末には27,009か所となりました(資源エネルギー庁)。ピークから30年で半数以下にまで減ったことになります。

60,421 1994年度末(ピーク) 27,009 2024年度末 ▼ 約55%減
全国のSS(給油所)数の推移(か所)/うち2024年度末はセルフ式が10,915か所(約40%)
出典:資源エネルギー庁・石油連盟

背景には、自動車の低燃費化・EV化や人口減少による燃料需要の構造的な減少、利幅の縮小、地下タンクの法規制対応コスト、そして経営者の高齢化と後継者不足があります。地域によっては最寄りのSSまで15km以上離れる「SS過疎地」問題も顕在化し、高齢者への灯油配達や農機への給油など、生活インフラとしてのSS維持が政策課題になっています。

02元売りの再編史:10社以上 → 3グループへ

業界の「川上」にあたる石油元売りは、かつて10社以上が存在しましたが、再編を経て現在は大きく3グループに集約されています。

再編の主な流れ

・1996年:特定石油製品輸入暫定措置法(特石法)の廃止により輸入が自由化、価格競争が激化
・1999年:日本石油と三菱石油の合併(日石三菱)を皮切りに統合が連鎖
・2017年:JXTGホールディングス(現・ENEOSホールディングス)が誕生
・2019年:出光興産と昭和シェル石油が経営統合
・現在:ENEOS・出光興産・コスモエネルギーの3グループ(+太陽石油)体制に

1996
特石法廃止・輸入自由化
1999
日石三菱(統合連鎖の始まり)
2017
JXTG(現ENEOS)誕生
2019
出光・昭和シェル統合
現在
ENEOS・出光・コスモの3グループ
図:石油元売り再編の流れ(出典:ENEOS石油便覧ほか公開情報)

注目すべきは、「川上(元売り)」の再編はほぼ一巡し、いま再編・承継の波は「川中・川下(特約店・販売店・SS)」へと移っているという点です。中小の燃料販売事業者にとって、M&A・事業承継はより身近なテーマになっています。

03最近のM&A事例(2024年)

近年は、SS網の強化や事業承継を目的としたM&Aが各地で行われています。公開情報から代表的な事例を紹介します。

2024年2月

サンオータス × 若葉石油

サンオータスが、神奈川県横浜市でSS事業を展開する若葉石油の全株式を約8,500万円で取得し子会社化。地域のSS拠点網の強化が狙いとされています。

2024年5月

宇佐美鉱油 × グッドスピード

SS大手の宇佐美鉱油が、自動車関連事業を手がけるグッドスピードを公開買付け(TOB)により取得。給油事業と車関連サービスの相乗効果が見込まれます。

2024年10月

三和エナジー(宇佐美グループ)によるグループ内統合

宇佐美の配送事業グループの三和エナジーが、ヒラオカ石油などを吸収合併。グループ内の再編・効率化によるスケールメリットの追求が背景にあります。同業の統合・集約が各地で進んでいます。

2025年9月

出光興産 × 富士石油(TOB)

出光興産が、持分法適用関連会社だった富士石油に公開買付け(TOB)を実施し、完全子会社化を目指すと発表。元売りレベルでの再編・統合の動きは2025年も続いています。

2025年1月

国府石油 × 日米石油

神奈川県でSS運営などを手がける国府石油が、東京都で石油卸・SS運営を手がける日米石油をM&A。地域の販売店どうしの承継・再編の一例です。

事業承継の例

後継者不在のSSを同業へ承継

後継者不在で「黒字廃業」の可能性に直面していた石油製品販売事業が、M&Aプラットフォームを通じて同業に承継され、SSと従業員の雇用を守ることができた事例も報告されています。

※ 各事例は各社のプレスリリース等の公開情報に基づきます。

REGIONAL FOCUS — 地域特集

中国・四国エリアのM&A動向

中国・四国地方も全国と同じく、後継者不在と燃料需要の減少を背景に、SSの再編・事業承継が進んでいます。地方では「SS過疎地」化も進みやすく、給油拠点の維持は地域の生活インフラに直結する課題です。

中国地方の事例

広島市で石油製品販売店どうしのM&A

廃業・撤退が加速するなか、広島市の石油製品販売事業者が、同じく石油製品販売・法人向け配送を手がける同業者へ事業を譲渡。雇用と法人顧客への配送を継続できた事例が報告されています(M&Aプラットフォーム公表の案件)。

地域ぐるみの支援も広がっています。広島県では2019年に地元金融機関・民間企業が連携した事業承継ファンドが立ち上がり、中国・四国の各県には公的な「事業承継・引継ぎ支援センター」が設置され、相談体制が整いつつあります。

根木石油は岡山を拠点に、中国・四国エリアの燃料事業者・SSオーナー様からのM&A・事業承継のご相談を秘密厳守で承っています。運営する神崎北SSは、系列カーライフ・ステーション約1,546か所を展開する伊藤忠エネクス(carenex)系列。地域に根ざした事業者として、エネルギーインフラの承継に取り組みます。

04なぜ中小SS・地域業者でM&Aが増えるのか

地域の燃料販売事業者が事業の継続を断念する主な理由は、次の4つに整理できます。

単独での存続が難しくても、同業へ譲渡すれば雇用・顧客・地域の給油拠点を残すことができます。こうして「黒字廃業」を避ける手段として、M&A・事業承継が一般的な選択肢になりつつあります。

05「廃業」ではなく「承継」という選択

廃業は、計量機やキャノピーの解体・地下タンクの撤去費用(一般に300万〜1,000万円規模、土壌汚染があればさらに高額)に加え、従業員の雇用喪失、地域のお客様の給油先の消滅を伴います。一方でM&A・事業承継は、これらの負担や損失を抑えながら、長年築いた事業の価値を次の世代へ引き継ぐ方法です。判断が早いほど、選べる選択肢は多く残ります。

さらに近年は、好立地のSSがEV充電ステーションなど次世代エネルギー拠点として再評価される動きもあり、立地そのものの価値が見直されています。「古いSSだから価値がない」とは限りません。

06根木石油の取り組み

根木石油は、年商100億円企業を目指す成長戦略の一環として、エネルギー業界のM&A・事業承継に積極的に取り組んでいます。岡山を拠点に中国・四国エリアで、後継者不在・業績不振・地下タンクや設備の老朽化でお悩みのSS・燃料事業のオーナー様からのご相談を、秘密厳守で承っています。廃業を決める前に、まずは一度ご相談ください。

出典・参考

※ 本記事は公開情報をもとにした一般的な解説であり、特定の投資判断・取引を推奨するものではありません。数値は公表時点のものです。

SS・燃料事業の譲渡は、根木石油へ

後継者不在・業績不振・地下タンク・設備老朽化——廃業の前に、秘密厳守でご相談ください。

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