停電に備えて非常用発電機を導入していても、燃料が尽きればそこで止まります。BCP(事業継続計画)では設備の準備に目が向きがちですが、その設備を動かし続ける「燃料」の確保こそが、事業を止めないための最後の砦です。本記事では、備蓄量の考え方・燃料の劣化管理・災害時の供給まで、見落とされがちな燃料のBCPを、燃料卸の視点で整理します。
01なぜBCPに「燃料」が欠かせないのか
地震・台風・大雪などによる大規模停電は、いつ起きてもおかしくありません。非常用発電機・自家発電設備を備える施設は増えていますが、発電機はあくまで燃料を電気に変える装置です。軽油や重油という燃料が続かなければ、どれだけ高性能な発電機でも稼働を続けられません。
とりわけ、止めれば人命や事業に直結する施設——病院・介護施設、データセンター・通信、上下水道、食品・製造ライン——では、「何時間・何日、電源を維持できるか」がそのまま事業継続力になります。その持続時間を決めるのが、備蓄した燃料の量と、切れる前に補給できる供給体制です。
02見落とされがちな「3つの燃料リスク」
BCPで燃料を考えるとき、次の3つのリスクが見落とされがちです。
| リスク | 何が起きるか | 対策の方向 |
|---|---|---|
| ① 備蓄量の不足 | 内蔵タンクや少量の備蓄だけでは、必要な運転時間をまかなえず、途中で電源が落ちる。 | 必要運転時間から逆算して備蓄量を設計する |
| ② 燃料の劣化 | 長期保管した軽油・重油が酸化・スラッジ化し、いざという時に使えない・発電機を傷める。 | 定期的な入替(ローテーション)で品質を保つ |
| ③ 災害時の入手困難 | 大規模災害では需給が逼迫し、普段どおりに燃料が手に入らない。給油待ちの長蛇の列。 | 平時から供給者と取引関係を築いておく |
「発電機を入れたから安心」ではなく、この3つをそろえて初めて、燃料のBCPは機能します。
03非常用発電機の燃料は、何時間もつ?(備蓄量の考え方)
多くの非常用発電機は、内蔵タンクの燃料だけでは連続運転できる時間が限られます(数時間〜が目安)。長時間の停電に備えるには、「守りたい機能を、何時間・何日維持したいか」から必要な燃料量を逆算しておくことが基本です。
目安として、発電機の1時間あたりの燃料消費量 × 維持したい時間が、必要な燃料量になります。たとえば数十kVA級の発電機でも、フル稼働では1時間に数十リットルの軽油を消費することがあります。「3日間(72時間)持たせたい」と考えると、必要量は一気に大きくなります。まずは自社の発電機の消費量と、確保できる備蓄容量を把握することから始めましょう。
必要量が備蓄容量を上回る場合は、①備蓄タンクを増やす、②停電中に燃料を追加供給できる体制をつくる——のいずれか(または両方)が必要です。当社では、この「必要量の考え方」と「追加供給の体制づくり」の両面からご相談を承っています。
04備蓄燃料は"置いておくだけ"では劣化する
意外と知られていないのが、備蓄した燃料そのものが時間とともに劣化するという事実です。軽油・重油は長期保管で、酸化によるスラッジ(沈殿物)の発生、水分の混入、微生物による汚染(いわゆるディーゼルバグ)などが起こり得ます。
劣化した燃料は、いざという時にフィルター詰まりや始動不良を招き、非常用発電機そのものを止めてしまうおそれがあります。一般に、良好な状態を保てるのは半年〜1年程度が目安とされ、定期的な入替(ローテーション)が推奨されます。
- 使用期限を決め、定期的に新しい燃料へ入れ替える(古い分は通常業務で消費)
- タンクの水抜き・点検を定期的に行う
- 入替のタイミングや量を、供給者と一緒に計画しておく
05根木石油のBCP燃料サポートでできること
根木石油は、平時の燃料卸から非常時の供給まで、施設の燃料を一貫してサポートします。「非常用発電機はあるが、燃料まで考えられていなかった」という段階からご相談いただけます。
ふだんの燃料供給から、いざという時の体制づくりまで
複数の元売りと直取引しているため、需給が絞られる局面でも調達ルートを確保しやすいのが強みです。平常時から継続してお取引いただくことが、非常時に動きやすい体制につながります。
"使えない燃料"にしないための、計画的なローテーション
備蓄している軽油・重油の入替(ローテーション)を、量やタイミングも含めてご提案。古い燃料は通常業務で消費し、常に新しい燃料が備蓄されている状態を保ちます。
発電機の軽油・重油から、暖房の灯油・車両の燃料まで
非常用発電機の軽油・重油、暖房用灯油、車両のガソリン・軽油、AdBlue・潤滑油まで一括で手配。BCPに必要な燃料をまとめてご相談いただけます。
06こんな施設・業種のBCPに
電源やボイラーが止まると事業・サービスに直結する、次のような施設のBCP燃料をサポートします。
- 病院・介護・福祉施設:生命維持・医療機器・空調のための非常用電源
- 製造業・食品工場:生産ライン・冷蔵冷凍の停止を防ぐ自家発電
- データセンター・通信・放送:無停電を支えるバックアップ電源の燃料
- 上下水道・ポンプ場・浄化施設:ライフラインを止めないための燃料
- 官公庁・自治体・防災拠点:庁舎・避難所の電源と備蓄燃料
- 運送・物流・建設:車両・重機の稼働を止めないための燃料確保
07よくある質問(FAQ)
Q. 非常用発電機の燃料は、備蓄だけで足りますか?
多くの非常用発電機は、内蔵タンクや小容量の備蓄だけでは連続運転できる時間が限られます(数時間〜が目安)。長時間の停電に備えるには、必要運転時間から逆算した備蓄量の確保と、燃料が切れる前の追加供給の両方が欠かせません。必要量の考え方からご相談いただけます。
Q. 備蓄している軽油・重油は、置いておくだけで大丈夫ですか?
いいえ。軽油・重油は長期保管で酸化やスラッジ、水分・微生物による劣化が起こり得ます。良好な状態を保てるのは一般に半年〜1年程度が目安とされ、定期的な入替(ローテーション)が推奨されます。いざという時に使えない燃料にならないよう、計画的な入替をご提案します。
Q. 災害・停電の時に、燃料を優先して届けてもらえますか?
大規模災害時は燃料の需給が逼迫し、どの供給者も物流に制約を受けます。当社は複数の元売りと直取引しており、平常時から継続してお取引いただいているお客様には、いざという時にも動きやすい体制づくりをご相談しています。まずは平時からの供給体制の整備をおすすめします。
Q. 軽油・重油以外の燃料もまとめて相談できますか?
はい。非常用発電機の軽油・重油から、暖房用の灯油、車両のガソリン・軽油、AdBlue・潤滑油まで、複数油種をワンストップで手配します。BCPに必要な燃料をまとめてご相談いただけます。
Q. 対応エリアはどこですか?
岡山県を中心に中国・四国エリアに対応します。ローリー配送・タンク納入など、施設の状況に合わせた供給方法をご相談いただけます。
※ 本記事は事業継続(BCP)における燃料確保の一般的な考え方を解説するものです。必要な備蓄量・運転時間・法令上の要件(消防法・危険物の貯蔵基準など)は、設備や施設の条件によって異なります。実際の設計・運用にあたっては、設備メーカー・所轄消防・専門業者にご確認ください。